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男性不妊の検査

■問診
 不妊症に関係するホルモンに作用する薬品を服用していないか、喫煙、飲酒、性腺機能(性欲など)、無精子症に関係する疾患の病歴などが無いか質問用紙に記入します。


■視診・触診
 ・体毛の生え方(男性ホルモンの分泌が正常化どうか)
 ・そけいヘルニアや腹部手術の傷が無いか(閉塞性無精子症の原因になります)
 ・陰嚢の皮膚疾患がないか(皮膚疾患があると陰嚢の温度が上がり機能が下がる
 ・陰嚢がぶらんと下がっているか(下がっていないと陰嚢の温度が上がり機能が下がる)
 ・精巣の大きさチェック(大きさは造精機能のバロメータと言われています)
 ・精巣のかたさ(張りがあるのは正常、やわらかいのは造精機能に問題がある場合があり、固すぎる場合は精巣ガンの疑いがあり
   ます)
 ・精管の有無(精管が欠損していないかどうか)
 ・しこりの有無(精策静脈瘤や腫瘍がないか)
 をチェックします。


■陰嚢超音波検査
 陰嚢にゼリーを塗りブローブを当てて超音波検査。精巣容積測定、腫瘍の有無、精策静脈瘤の有無、精巣の血流をチェックします。


■精液検査
 精液はマスターベーションで採取します。
 外見:乳白色、不透明が正常。透明な場合は無精子症、黄色かったり血が混ざっている場合は白血球が多い(炎症を起こして
  いる)事が疑われます。
 精液量:正常2ml以上。それ以下の場合は逆行性射精や前立腺の疾患が疑われます。
 粘稠性:正常な場合は糸をひきません。
 精子濃度:正常値2000万個/m以上。
 正常形態精子率:奇形精子がどれだけいるか染色をしてチェックします。正常値は30%未満。
 クルーガーテスト:Type1〜Type6まで精子を評価し、Type1(良好精子)が14%いるのが正常とされています。



■精液検査(SQA-V)SMI値
 SMI(Sperm Motility Index): 精子自動性指数。 1mlの精液の中に存在する精子の数を精子濃度といい、その中で運動をしている精子の濃度をMSCと呼び、そのうち形態や直進性も良好な精子の濃度はFSCと呼ばれ受精に最も深く関与しています。
しかし受精能力を判定するには更にスピードも考慮する必要があるので、運動精子濃度にスピードも考慮して数値化したSMIが精子受精能力の判定に使われています。



■精液検査(特殊検査)
ハムスターテスト ハムスターの卵子にヒト精子を侵入させる事で精子の受精能力を測る検査。
15%〜30%が正常。
アクロビーズテスト 精子の頭部に含まれている酵素を調べ、受精能力を確かめるテスト。
精子生存性検査 動かない精子が多数居る場合に、その精子が生きているか死んでいるか染色して確かめるテスト。生きている精子が75%以上が正常。
HOSテスト 精子を浸透圧の低い液の中に入れると尾部の構造が変化する事を利用して良好精子を選別出来ます。ICSIの際に用いる精子が少ない場合などに行われます。



■ホルモン検査
血液検査
FSH(卵胞刺激ホルモン)
造精機能の目安となります。正常値よりも高すぎても、低すぎても造精機能に影響します。
LH(黄体化ホルモン) 男性ホルモンの分泌を促すホルモン.
PRL・プロラクチン
(乳汁分泌ホルモン)
免疫系の機能に作用し、造精機能が妨げられたり勃起障害の原因になる場合もある。
TEST(テストステロン) 精巣内の細胞から分泌される為、正常値でない場合は精巣自身にダメージがある事が推測されます。



■抗精子抗体検査
 血液検査、精液検査(男性の場合)。抗精子抗体は男女それぞれにあり、抗精子抗体は精子の運動率、受精率を阻害します。


■TESE(精巣生検・精巣内回収法・バイオプシー)
 精液検査で無精子症と確定した場合に行われる。陰嚢を切開し精巣を露出し精巣組織を採取し、精巣内の精子を探す検査(手術)。 精子が居るか確かめるだけでなく、見つかった精子は凍結してICSIに使用するという治療のひとつでもある。閉塞性無精子症の場合は精巣の何処の部分でも精子を作っていて、 ほぼ前例で精子を回収する事が出来ます。非閉塞性無精子症の場合、従来は何箇所もの精巣組織を採取しても精子が回収出来る可能性は4割程でしたが、 近年は精子を作っている部分の精細管が太くなっている性質を利用して、顕微鏡で太い精細管を探すマイクロセダクションという方法で約6割の精子回収が出来るようになりました。


■精管精嚢造影
 陰嚢の皮膚に麻酔をして精管の内容物を吸引し、その後精管に造影剤を注入してレントゲン写真を撮影する。無精子症で逆行性射精ではなく、TESEで精巣内に多数の精子が認められる場合に、閉塞部位を調べるために行われます。検査結果によっては精管再建手術が可能かどうかも調べられます。しかし造影剤が体内で固まってしまう場合もあり、陰嚢を切開して行う大変な検査なので近年はあまり行われていないそうです。


■染色体検査
 血液検査。血液中のリンパ球だけを取り出し培養液の中で72時間培養した後染色をして、精子に関する染色体に異常が無いか調べます。


■遺伝子検査
 血液検査。血液中のリンパ球からDNAを抽出し、染色体検査だけでは分からない微妙な遺伝情報の欠失や遺伝病などが無いか調べます。


■尿中精子検査
 射精した後に採尿し精子が居ないか調べる。精液検査をした時に精液量が少ない場合や、精液が出ない場合に行います。尿中に精子が多数発見される場合は逆行性射精と診断されます。

   
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